遺言書で不動産を相続させる書き方!無効にならない記載例と注意点
遺言書で不動産を家族に残したいと考えても、「書き方を間違えて無効にならないか」という不安は大きいものです。特に土地や建物は高価な資産であり、記載のミスが原因で名義変更がスムーズに進まなければ、遺された家族に負担をかけることになりかねません。相続登記が義務化された今、正確な遺言書作成の重要性が高まっています。
本記事では、明成法務司法書士法人の視点から、不動産の正しい特定方法や具体的な記載例を解説します。この記事を読めば、登記の際のトラブルを防ぎ、あなたの想いを次世代へ確実につなぐための指針が得られるはずです。
なお、遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などの形式があり、それぞれ作成のルールが異なります。例えば自筆証書遺言では本文を自書する必要があり(財産目録はパソコン作成なども可能ですが、各ページに署名押印が必要です)、公正証書遺言では公証人が関与します。本記事では主に不動産の記載方法に絞って解説しますが、形式面の要件も別途満たす必要がある点にご留意ください。
登記事項証明書通りに書く!不動産を正確に特定する「書き方」3つのルール

1. 【土地】「住所」ではなく登記上の「地番」を書くのが基本
土地を遺言書に記載する際は、普段の生活で使う住所(住居表示)ではなく、登記上の「地番」を正確に書くのが基本です。法務局は「地番」によって土地を管理しており、住居表示では物件を特定できないためです。 具体的には、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書を確認し、「〇〇市〇〇町字〇〇123番4」といった形式で正確に転記してください。住居表示が「1番1号」であっても地番が異なることは多く、住居表示だけでは相続時の手続きに支障が生じるおそれがあります。土地の特定ミスを防ぐためには、手元の資料にある地番を正確に書き写すことが、スムーズな名義変更のための条件となります。2.【建物】「家屋番号」と「種類・構造・床面積」まで漏れなく転記する
建物についても土地と同様に、登記上の「家屋番号」を明記し、詳細な情報を漏れなく転記する必要があります。建物が複数ある場合にどの建物を指しているのかを明確にし、特定しやすくするためです。 具体的には、登記事項証明書に記載されている家屋番号、種類(居宅など)、構造(木造かわらぶき2階建など)、床面積の各情報をそのまま書き写します。リフォーム等で実際の面積が変わっていても、現在の登記簿上の情報にもとづいて記載するのが基本です。建物の情報を登記記録どおりに記載することで、遺言書の内容を明確にし、後のトラブルを防ぎやすくなります。3.【マンション】「一棟の建物」と「専有部分」を分けて正確に記載する
分譲マンションのような区分所有建物の場合は、土地や戸建てよりも記載方法が複雑になるため、より注意深い転記が求められます。「一棟の建物の表示」と「専有部分の表示」という、マンション特有の登記構造に沿って記載しないと、正しく特定できないためです。 具体的には、マンションの名称だけでなく、家屋番号や床面積、土地の利用権である「敷地権の表示」まで確認し、登記事項証明書の内容に沿って記載することが大切です。間違いを防ぐ確実な方法は、登記事項証明書の「表題部」の内容をそのまま書き写すことです。マンションの登記表記を忠実に再現することが、複雑な権利関係を引き継がせるための鍵となります。【例文で解説】ケース別・不動産を相続させる遺言書の書き方3選
不動産をどのように引き継がせたいかは人それぞれですが、記載内容が曖昧だと後々の争いの原因になることがあります。明成法務では、お客様の負担軽減を目指し、争いを防ぐための明確な文言選びをサポートしています。ここでは、具体的な記載例を3つのケース別に紹介します。なお、以下はあくまで一例であり、実際の作成にあたっては個別の事情に応じた確認が必要です。1.【特定の一人へ】「自宅の土地・建物をすべて」相続させる場合の例文
特定の一人に自宅を託したい場合は、「遺言者は、その所有する後記不動産を、長男〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる」という一文を用います。この書き方であれば、その不動産について遺産分割協議を経ずに、承継する相続人が相続登記を進めやすくなるためです。 例文の後に、前述した正確な地番や家屋番号を記載した物件目録を添えます。誰にどの物件を渡すのかを明確に書き分けることで、遺言者の意思を分かりやすく示すことができます。特定の一人を指定する際は「相続させる」という明確な表現と、正確な物件目録をセットにすることが重要です。2.【複数の親族へ】不動産ごとに引き継ぐ人を指定する書き方の例文
複数の不動産を異なる親族に分ける場合は、それぞれの不動産情報を別個に明記し、承継者を特定します。不動産ごとに承継者を決めておくことで、将来的な共有状態によるトラブルを避けやすくなり、名義変更の手続きも進めやすくなります。 具体的には、「長男には自宅(物件A)を、長女には別荘(物件B)を相続させる」といった形式で記載します。各不動産について個別に「相続させる」という文言を対応させることが、円満な相続につながるポイントです。物件ごとに「誰が何を受け取るか」をはっきり書いておくことで、遺された家族の事務的負担を軽減できます。3.【共有持分】一筆の土地を「特定の割合」で相続させる場合の例文
一筆の土地を複数の相続人で分け合う場合は、それぞれの持分割合を指定して記載します。「遺言者は、後記不動産を、妻〇〇に2分の1、二男〇〇に2分の1の割合で相続させる」というように、具体的な割合を指定します。ただし、共有状態は売却や活用の際に共有者全員の同意が必要となり、将来的な争いの原因になりやすいため、慎重な判断が求められます。 明成法務司法書士法人に相談すれば、共有のリスクを踏まえたうえで、分割方法についてアドバイスを受けられます。割合指定は法的に可能ですが、将来のトラブルを防ぐ観点からは、専門家と相談しながら決めるのが賢明です。登記の手続きに配慮!「相続させる」と「遺贈する」を使い分ける理由
遺言書では「言葉の選択」によって、相続後の登記手続きの進め方が変わることがあります。司法書士は不動産登記の実務家として、これらの使い分けに配慮します。特に「相続させる」と「遺贈する」の使い分けは、法的な効果に違いを生むため、その理由を正しく理解しましょう。1. 法定相続人には「相続させる」を使うと名義変更がスムーズになりやすい
法定相続人(妻や子など)に不動産を渡す場合は、「相続させる」という言葉を使うのが実務上分かりやすい表現です。この表現を用いると、その不動産を承継する相続人が単独で相続登記を申請できるため、手続きを進めやすくなります。一方、「遺贈する」と書いた場合、従来は登記の手続きがより煩雑になる面がありました。もっとも、令和5年4月施行の改正により、相続人に対する遺贈については、その相続人が単独で登記申請できるようになっています。いずれにしても、身内に不動産を残す場面では「相続させる」と記載するのが一般的です。遺言書の文言によって手続きの進めやすさが変わるため、不安がある場合は専門家に確認しておくと安心です。
2. 孫や第三者に渡すなら「遺贈する」!受遺者の権利と注意点
孫(その親が健在な場合)や知人など、法律上の相続人ではない人に不動産を渡す場合は、「相続させる」ではなく「遺贈する」という文言を使います。相続人以外への財産移転は遺贈となり、財産を受け取る人は受遺者という立場になるため、正確な用語の使用が求められるためです。相続人以外の第三者への遺贈による登記は、原則として受遺者と相続人(または遺言執行者)が共同で申請する必要があり、相続登記とは手続きが異なります。
また、遺贈は受遺者の意思で放棄することができますが、その方法は遺贈の種類によって異なります。財産を特定して渡す「特定遺贈」の場合はいつでも放棄の意思表示ができるのに対し、財産の割合を示して渡す「包括遺贈」の場合は、相続の承認・放棄と同様に、原則として自己のために遺贈があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。相続人以外に不動産を渡す場合は、こうした違いを理解したうえで「遺贈する」という言葉を明確に記載することが大切です。
3. 曖昧な言葉はトラブルのもと!意味が明確に伝わる文言を使う
「〇〇に不動産を任せる」「託す」といった曖昧な表現は、遺言書の内容が正確に伝わらず、相続後の名義変更手続きで問題になるおそれがあります。手続きの場面では、遺言書の文言から「不動産を承継させる」のか、「管理を頼むだけなのか」を明確に読み取れることが重要だからです。
令和6年4月からは相続登記の申請が義務化されており、不備のある遺言書によって名義変更が進まなければ、相続登記の申請が遅れ、結果として家族の負担が増えるおそれがあります。自己流の表現を避け、意味が明確に伝わる文言を使うことが、資産を守るための大切なポイントです。
明成法務が提供する「安心」!3つのサポート

不動産を含む遺言書の作成は、単に紙に書くだけで終わるものではありません。明成法務司法書士法人は、お客様と誠実に向き合い、大切な資産を次世代につなぐお手伝いをしています。ここでは、私たちのサポート体制について3つの点をご紹介します。
1. 年間1,000件超の実績で「登記できない・無効になる」リスクを軽減
明成法務には、年間1,000件を超える相談実績から培われた、登記実務に関する知見があります。多くの現場を経験しているからこそ、自己作成では気づきにくい細かな記載ミスや、手続きで問題になりやすいポイントを事前に確認しやすくなります。実績にもとづいたノウハウにより、遺言書の内容が名義変更の場面で適切に機能するよう、丁寧にサポートいたします。
2. 司法書士が中心!税理士連携で「相続税」まで見据えたワンストップ支援
弊社では司法書士が窓口となり、名義変更だけでなく相続税に関する相談にも対応できる体制を整えています。不動産の相続は税務とも密接に関係しており、登記だけを見て判断すると、将来的に予期せぬ税負担が生じるおそれがあるためです。提携する会計事務所と連携するワンストップ体制により、税務面も考慮した遺言内容の検討をお手伝いします。具体的な税額の計算や申告は税理士が担当します。
3. 複雑な書類収集から公証役場との調整まで任せられる安心感
お客様の物理的・心理的な負担を軽減することを大切にし、煩雑な事務作業をサポートします。遺言作成に必要な戸籍収集や不動産調査、公正証書遺言の場合の公証役場との調整は、慣れない方にとっては手間と時間を要する作業だからです。無料相談から始まり、必要に応じて将来の遺言執行まで、一連の手続きをまとめて専門家に相談できる環境を提供しています。
まとめ:不動産の遺言書作成は「確実な名義変更」まで見据えてプロに相談を
不動産は多くの方にとって高価な資産であり、遺言書における記載のミスは、せっかくの想いを十分に実現できないだけでなく、遺された家族に負担をかけることにもなりかねません。地番や家屋番号の正確な特定、そして「相続させる」「遺贈する」という言葉の正しい使い分けが、トラブルを防ぐための基本的なルールです。
令和6年4月からは相続登記の申請が義務化されており、不備のない遺言書によるスムーズな名義変更は、これまで以上に重要になっています。記載内容が曖昧であったり、形式が整っていなかったりする遺言書は、かえって家族の負担を増やしてしまうおそれもあります。
明成法務司法書士法人は、司法書士が中心となり、誠実な対応でお客様の大切な資産を次世代につなぐお手伝いをいたします。まずは弊社の無料相談で、あなたの想いをお聞かせください。専門家の視点から、確実性と安心を意識した遺言書の作成をサポートいたします。

