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不動産の遺産分割をするときの3つの方法とは?
2026年5月7日
不動産の遺産分割をするときの3つの方法とは?
相続が発生した際に、分割が難しく、トラブルになりやすいのが不動産です。
不動産は物理的に分けることができないため、相続人間で誰がどのように引き継ぐかをめぐって意見が対立することが少なくありません。
今回は、不動産の遺産分割をするときの3つの方法と、それぞれのメリットや注意点について説明します。
代償分割
代償分割とは、特定の相続人が不動産を単独で相続する代わりに、他の相続人に対して自分の持ち分を超える価値に相当する現金を支払う方法です。
このとき支払われる現金のことを代償金と呼びます。
代償分割のメリットと注意点は以下の通りです。
代償分割のメリット
代償分割のメリットとして、不動産を売却することなく、特定の相続人がそのまま所有し続けられることができます。
また、不動産を現物で引き継ぐ相続人と現金を受け取る相続人の双方にとって実質的な公平性を保ちやすいという利点もあります。
不動産を売却する手間や仲介手数料などのコストを抑えられることも、代償分割のメリットです。
代償分割の注意点
最も注意すべき点は、不動産を相続する側に「代償金を支払う十分な資金力」があるかどうかです。
支払能力がないまま協議を進めると、最終的に合意が白紙に戻るリスクがあります。
また、代償金は一括払いが一般的ですが、合意があれば分割払いも可能です。
さらに、不動産の評価額をいくらに設定するかが論点になることが多いのも代償分割の特徴です。
換価分割
換価分割とは、遺産である不動産を売却して現金に換え、その現金を相続人間で法定相続分などに従って分け合う方法です。
換価分割のメリットと注意点は以下の通りです。
換価分割のメリット
換価分割のメリットは、不動産を換金することにより、遺産を金銭で公平に分けられる点にあります。
誰もその不動産に住む予定がない場合や、相続人全員が現金での受け取りを希望している場合には、この方法が有効的です。
相続人が誰も住まない空き家の管理負担を解消できるというメリットもあります。
また、実際に売れた金額がそのまま分割の基準となるため、不動産の評価額をめぐる争いを回避できる点もメリットであるといえます。
換価分割の注意点
換価分割は、仲介手数料などの諸経費に加え、「譲渡所得税」が発生する可能性がある点に注意が必要です。
売却益が出た場合、誰がどの割合で税金を負担するのか、手残り額をどう算出するかを事前にシミュレーションしておくことが円満な解決の鍵となります。
共有分割
共有分割とは、不動産を売却したり代償金を支払ったりすることなく、複数の相続人の共有名義として登記する方法です。
共有分割のメリットと注意点は以下の通りです。
共有分割のメリット
共有分割のメリットは、相続人全員の同意さえあれば、比較的簡単に手続きが完了する点です。
代償金を用意する必要がなく、売却活動の手間もかかりません。
そのため、一時的な手段として選ばれることが多いです。
共有分割の注意点
実務上、共有分割は「問題の先送り」になりやすく、最も推奨されない方法の一つです。
売却やリフォームに共有者全員の同意が必要なため、一人でも反対したり、認知症などで意思疎通ができなくなったりすると、不動産が「塩漬け」状態になるリスクを孕んでいます。
遺産分割方法を決定するまでの過程
分割方法を選ぶために、次のような手順を踏むことを検討してください。
不動産の正確な調査と評価
不動産の分割方法を決定するためには、不動産の現状を把握することが効果的です。
具体的には、法務局で登記簿謄本を取得して権利関係を確認し、市役所で固定資産税評価額を調べます。
さらに、複数の不動産会社に査定を依頼し、現在の時価がどの程度であるかを把握します。
査定価格は会社によって幅があるため、「3社程度の査定」を比較し、客観的な平均値を出すことが相続人間の納得感に繋がります。
これらの客観的な数字は、どの分割方法が有利かを検討する際に役立ちます。
遺産分割協議書の作成
不動産の分割方法とそれぞれの取得分を決めたら、その内容を遺産分割協議書という正式な書面にまとめます。
代償分割であれば代償金の額と支払期限を、換価分割であれば売却の方法や経費の負担割合を明記します。
まとめ
今回は、不動産の遺産分割をするときの方法として代償分割、換価分割、共有分割について解説しました。
これらの分割方法にはそれぞれメリットと注意点があるので、不動産の遺産分割をする方法を決定する際には慎重に検討することをお勧めします。


