ブログ
デジタル遺産とは?相続手続の方法を種類別に解説
2026年1月27日
デジタル遺産とは?相続手続の方法を種類別に解説
現代社会において、被相続人が残す財産は、不動産や預貯金だけではありません。
暗号資産やネット銀行の口座といったデジタル遺産も、相続の対象となっています。
これらのデジタル遺産は、物理的な形を持たないがゆえに、その存在自体が相続人に知られずに放置され、金銭的な損失や相続手続きの煩雑化といったトラブルの原因となりがちです。
この記事では、デジタル遺産の相続上の問題点や、仮想通貨やネット銀行の口座など、種類ごとの相続手続きの方法について解説いたします。
デジタル遺産とは?
デジタル遺産とは、被相続人が所有していた、インターネット上やデジタル機器内に存在する財産のことです。
金銭的価値を持つデジタル遺産には、暗号資産やネット銀行、ネット証券の口座残高などが挙げられます。
また、情報的な価値を持つものとして、SNSのアカウント、メール、写真、ブログデータなどがあり、これらはデジタル遺産には含まれません。
これらのデジタル遺産は、物理的な形を持たないため、相続人がその存在や内容を把握しにくいという特徴があります。
デジタル遺産の問題点
デジタル遺産は、その性質上、従来の相続手続きでは対応しきれない様々な問題点があります。
まず、財産の存在やパスワードが分からないことです。
被相続人が亡くなると、口座やアカウントの存在自体がわからなくなり、結果として財産が放置されてしまうことがあります。
次に、利用規約による制約です。
多くのオンラインサービスでは、アカウントが本人以外には譲渡されないという利用規約が定められています。
これにより、相続人がアカウントを引き継ぐことが困難になる場合があります。
さらに、サービス提供者によるデータ消去のリスクもあります。
長期間利用がないアカウントは、サービス提供者によってデータが消去される可能性もあります。
デジタル遺産を放置するとトラブルの元に
デジタル遺産を放置することは、相続人にとって様々な問題の原因となります。
まず、金銭的な損失です。
暗号資産やデジタルマネーなどの存在に気づかないままデジタル遺産を放置してしまうと、折角の財産を活用することが出来ません。
次に、相続手続きが煩雑になりがちという問題があります。
デジタル遺産の数が多い場合、相続財産に該当するか否か、相続評価額がいくらかを個別に整理する必要があります。
また、遺産分割協議によって相続配分を決めた後や税務署に相続税を申告した後に、デジタル遺産の存在が判明した場合、既に済ませた手続きを再び行わなければならないリスクがあります。
デジタル遺産の相続手続きの方法
デジタル遺産の相続手続きは、その種類に応じて異なります。
暗号資産
暗号資産は、デジタル遺産の代表格です。
暗号資産を相続するためには、まず被相続人が利用していた取引所の口座を特定し、ログインするためのIDやパスワード、秘密鍵などを把握する必要があります。
取引所によっては、相続手続きに関する独自の規定を設けているため、その規定に従って相続手続きを行います。
パスワードが不明な場合、手続きが非常に困難になる可能性や、そもそも暗号資産があることを把握できないリスクもあります。
デジタルマネー
電子マネーやQRコード決済の残高などのデジタルマネーも相続財産となります。
これらのサービスは、アカウントが本人以外には譲渡されないという利用規約が定められていることが多いため、残高を払い戻す手続きをとる必要があります。
各サービス提供者に連絡し、被相続人の死亡と相続人であることを証明することで、残高を銀行口座などに振り込んでもらう手続きを行います。
サービスによっては、払い戻しができない場合もあります。
ネット銀行やネット証券の口座
ネット銀行やネット証券の口座残高は、通常の銀行口座と同様に相続財産に含まれます。
これらの口座は、ログイン情報がわからないと残高の有無が確認しづらいという問題点があります。
相続手続きは、各金融機関に連絡し、必要書類(戸籍謄本・遺言書など)を提出することで、解約や払い戻しを行います。
デジタル遺産は生前対策が有効
デジタル遺産を巡るトラブルを避けるためには、生前の対策が非常に有効です。
まず、デジタル遺産のリストを作成し、アカウント名やサービス名、ID、パスワード、連絡先などを一覧にします。
次に、エンディングノートや遺言書に記載し、誰に何を承継させるかを明確にします。
また、不要なアカウントは生前に解約しておきましょう。
これにより、相続人の負担を減らし、財産の放置や相続手続きの煩雑化を防ぐことが出来ます。
まとめ
デジタル遺産は、従来の相続手続きでは対応しきれない問題が多く、生前に対策を講じることが不可欠です。
財産目録の作成や、遺言書への記載、アカウントの整理を行うことで、相続人の負担を軽減し、財産を守ることができます。
デジタル遺産の手続きでお困りの際は、ぜひ司法書士にご相談ください。


